支笏湖温泉に立ち湯が出現--。6月に降った大雨の影響で、北海道千歳市にある支笏湖の水位が上がり、泉源が湖とつながっている湖畔の丸駒温泉旅館の露天風呂の水位も上昇し、5日にはついに145センチに達した。同旅館は自然のいたずらに驚いているが、入浴客は立ち湯を楽しんでいる。
梅雨がないとされる北海道だが、札幌管区気象台によると、6月の道内は太平洋側を中心に平年の倍以上の降水量を記録した。支笏湖畔のアメダスでは、16日に106ミリ、9日に92ミリ、10日に65ミリの雨量を観測。支笏湖畔の月間降水量は324ミリと、少雨だった昨年同期の62ミリを大幅に上回った。
同旅館の露天風呂は、湖底から沸いた温泉を利用しているため、水位は湖面の高さと連動して上下する。同旅館によると水位は例年なら50~80センチのため、岩風呂に座って湯につかる。だが、今年は6月中旬から水位が急上昇し、立たなければ入れない状態になった。
同旅館の佐々木義朗・総支配人は「6月は雨にたたられ、日帰り入浴の客足が伸び悩んだ。道内では珍しい立ち湯が話題を呼び、集客アップのきっかけになれば」と、“恨みの雨”が“恵みの雨”に変わることを期待している。【水戸健一】
毎日新聞 2006年7月6日 14時02分 (最終更新時間 7月6日 14時11分)