指定暴力団稲川会系松田組員による組織的な武器密輸事件で、警視庁組織犯罪対策4課が、密輸を取り仕切っていた同組幹部を銃刀法違反容疑で逮捕していたことが分かった。同課は同組の「武器庫」から軍用自動小銃など多数の武器類を押収しており、他の組に密売するなどして組の資金源にしていた可能性があるとみている。
この事件では、今年1月、横浜市の横浜港で、フィリピンの貨物船から、ダイナマイト級の含水爆薬6本、密造拳銃11丁、実弾220発などを密輸入したとして▽同組員、秋山公明(44)▽「運び役」の無職、五十嵐安清(61)▽フィリピン人の船員2人の計4被告=銃刀法違反罪などで起訴=が逮捕された。組幹部はこの密輸の指揮役として、04年春ごろから五十嵐被告らに密輸品の受け取り法を指示したり、1回10万円の成功報酬を手渡すなどしていた疑いが持たれている。
同課によると、松田組は構成員約10人で、横浜市中区に事務所を置く。今年3月、同課は神奈川県内の組関係先を家宅捜索し、旧ソ連の軍用自動小銃AK47など銃器類計十数丁を押収した。AK47には国内では極めて珍しい小型爆弾発射装置「ランチャー」が装着され、殺傷能力が高められていたが、これらも同様にフィリピンから密輸したとみられる。【三木陽介、石丸整】
毎日新聞 2006年7月7日 15時00分