【ニューヨーク坂東賢治】国連安保理は24日、今年末で任期が切れるアナン事務総長の後継候補として名乗りを上げているアジアの4人を対象に初の模擬投票を行った。結果は秘密扱いだが、安保理筋によると、韓国の潘基文(バンギムン)外交通商相が最も支持を集め、インドのタルール国連事務次長が2番手につけたという。
模擬投票はあくまで候補者絞り込みのための目安で、ただちに次期総長選びに結びつくわけではない。96年にアナン氏を選んだ際には8回の模擬投票が実施された。中国の王光亜国連大使は投票後、「2週間後に行えば、違った結果が出るだろう。選出に影響を与えるとは思わない」と述べた。
投票は理事国15カ国の代表が4人全員について支持、不支持、意見なしのどれかを選んだ。安保理筋によると、潘氏は支持12票、タルール氏が同10票を集め、タイのスラキアット副首相は同7票、スリランカのダナパラ前国連事務次長は同5票だったという。
日中などアジア各国は、地域別の輪番制で事務総長を選出してきた慣行から「次はアジア」と主張し、アナン事務総長も支持を表明してきた。ブッシュ米大統領が最近、アジアからの選出に前向きな考えを示したことから、安保理内ではアジアからの選出の流れが固まりつつあるとの見方が強まっている。
毎日新聞 2006年7月25日 11時29分