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遺跡発掘:ネットで24時間公開 捏造事件での信頼回復へ

北海道伊達市噴火湾文化研究所(大島直行所長)は、同市有珠町の「有珠4遺跡」の発掘状況をインターネット上で24時間公開している。発掘現場を“ガラス張り”にして、00年に毎日新聞の調査報道で発覚した旧石器発掘捏造(ねつぞう)事件で失われた考古学への信頼回復を図るための取り組み。文化庁記念物課は「リアルタイムで発掘の模様を公開する例は聞いたことがない」と話している。

 同遺跡は、縄文時代中期(約4000年前)~江戸時代の遺跡で、貴重な土器や石器の出土が予想されている。今月10日から10月31日までの予定で発掘が行われる。

 発掘の状況は同研究所のホームページで動画で見ることができ、アクセスした端末のパソコンからカメラの遠隔操作も可能。作業中時間(平日午前8時45分~午後5時半)は発掘個所に、夜間・週末は遺跡全体を見渡す位置にカメラを設置する。毎週金曜日には調査員が進行状況をネット上で説明する。

 大島所長は「発掘で情報が公開されない弊害が、旧石器捏造などの問題につながった。文化財の情報を共有することで、市民の関心が高まり見学者も増えればうれしい」と期待している。【大谷津統一】

毎日新聞 2006年7月26日 

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