パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器による一連の一酸化炭素中毒事故で、85年1月に札幌市で最初の事故が起きる以前に、親会社のパロマ社員が安全装置の不正改造を確認しながら社内に報告していなかったことが分かった。同社の連絡体制の不備が不正改造の横行につながったとみられる。
北海道恵庭市で95年1月に起きた事故を巡る札幌地裁での民事訴訟で、同社の元苫小牧出張所長が証言した。
それによると、元所長は84年3月までの在任期間中に、日高管内様似町の一般ユーザー宅に修理に行った際、不正改造を確認。現地の販売店が改造したものと知って直接注意したが、パロマ本社にも札幌営業所にも報告しなかったという。その上で、「札幌からも(改造について)いろいろ実例を聞いていた」とも証言した。
パロマはこれまで不正改造を把握したのは85年の事故直後としていた。【真野森作】
毎日新聞 2006年7月26日