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100円ショップ:高額商品並ぶ 業界に何が!?

作者:太田保馬  来源:mainichi-msn   更新:2006-7-29 17:46:53  点击:  切换到繁體中文

 

100円ショップ:高額商品並ぶ 業界に何が!?
315円、525円の商品が並ぶ「生活雑貨ショップ」=東京都板橋区で

 100円ショップが変わり始めた。これまでの「どれでも100円」から、高額の商品が店頭に並ぶようになったのだ。業界に何が起こっているのだろうか。【太田保馬】

 200平方メートルほどの広さの店内は明るく、通路もゆったりと取られている。棚には12サイズから選べるワイシャツ、イタリア製の調味料入れ、フッ素樹脂加工のフライパンなどが並ぶ。値段はどれも525円。江戸切り子風のグラス、健康スリッパなどは315円で売られている。

 全国に約800店舗を展開する100円ショップ大手、キャンドゥが東京都板橋区に4月にオープンした新店舗「生活雑貨ショップ」の店内。品ぞろえは3000種類にもなるが、値段は525円、315円の2通りだけだ。この店での実績を見ながら、全国の100円ショップに「高額商品」の売り場を開設していく。

 生鮮食品や総菜などを中心に扱う99円均一(税抜き)の「ショップ99」は、今年3月から199円(同)の食品も置くようになった。こうした「脱100円」の動きは100円ショップ業界に広がりつつある。

 100円ショップが独自の店舗を持つようになったのが90年代初頭。長引く不況とデフレを背景に業界は急成長してきた。ところが、このところその成長にもブレーキが。かつては珍しさや価格への驚きから衝動買いした客が、目的のものだけを買うようになったのだ。

 キャンドゥ営業担当取締役の小杉山則男さん(51)は、「1人平均の買い物額は01年には480円だったのが05年には420円に減少し、今年に入ってからは来店客数も減少傾向」と明かす。

 実は、100円ショップには採算の秘密があった。売り場には、老眼鏡やジャンプ傘など採算ぎりぎりの買い得品「見せ筋」と、消耗品など利益率の高い「もうけ筋」の2種類の商品がある。「見せ筋」でいいものがあると印象づけられた客が「もうけ筋」も一緒に買って商売が成り立つ。ところが、消費者が「見せ筋」に厳しくなり、もうかる商品もホームセンターなど、ライバル店で買ってしまうようになったのだという。

 コンビニの追い上げもある。エーエム・ピーエムが昨年3月に始めた100円食品コンビニ「フードスタイル」は、従来の客層とは異なる高齢者の利用もあり、年内に120店舗開設を目指す。また、ローソンも100円ストアの出店を加速させている。

 こうした環境変化の中、100円ショップでの高額商品販売は「お客がライバルに逃げないように囲い込むための対策だ」と、小杉山さんは説明する。また、ショップ99を展開する九九プラスの広報担当者は「90グラム99円の豚肉もあるが、主婦にはもう少しまとまった量の方が買いやすい。食品スーパーなので、女性を大切にしないと」と言う。

 流通業界に詳しいニッセイ基礎研究所の小本恵照研究員は「物価下落が止まり、給与水準も伸び始めた現在、消費者の低価格志向が弱まっている。その一方で、新規参入が増えて競争が激しくなったため、ワンランク上の客層を狙った『100円ショップの業態の進化』という意味もある」と分析する。

毎日新聞 2006年7月29日 

 


 

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