イラク南部サマワから撤退した陸上自衛隊の第10次人道復興支援群の山中敏弘群長(45)ら277人が25日午前7時半ごろ、民間のチャーター機で羽田空港に到着した。派遣された計約600人全員の帰国が終了、2年半に及んだイラク派遣は終わった。今後は航空自衛隊が活動地域を広げて輸送業務にあたる。
山中群長は「日本に到着してほっとした。全員無事帰国でき、大変うれしい。隊旗返還が終わったら温泉に行きたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。29日には朝霞駐屯地(東京都練馬区)で小泉純一郎首相が出席して隊旗返還式が行われる。
今月7日にイラクからの出国を開始し、17日までに隊員全員が隣国クウェートに到着した。帰国前のメンタルケアなどを受けた後、20日から3回に分かれてチャーター機で帰国した。25日に到着した隊員たちは、羽田空港から相馬原(群馬県)や習志野(千葉県)、新発田(新潟県)などの各駐屯地へ向かった。
千葉県船橋市の陸自習志野駐屯地には午前10時半過ぎ、114人の隊員が姿を見せた。約200人の家族らは夫や息子の姿を見つけ、「おかえりなさい」と歓声をあげた。
妻明香(さやか)さん(29)と2、5歳の息子の出迎えを受けた広田勲2曹(39)は「家族が心の支えでした。元気な姿を見て安心しました」。明香さんは「爆撃があり心配だった。無事に帰れて良かった。夏休みに間に合って子供たちも喜んでいます」と喜びをかみしめていた。【反田昌平、神足俊輔】
毎日新聞 2006年7月25日 11時50分 (最終更新時間 7月25日 12時02分)