北海道夕張市が事実上財政破たんしたことを受け、総務省が都道府県を通じ全国の自治体の一時借入金を調査したところ、北海道内の9自治体で新たに一時借入金を利用した「赤字隠し」の疑いがあることが3日、分かった。北海道の中間報告によるもので、同省は9自治体で不適正な会計処理がなかったかどうか、道にさらに詳細な調査をするよう要請した。
一時借入金は自治体の当座の資金繰りのために金融機関から受ける短期の融資で、年度内に返済することになっており、決算書などには記載されない。夕張市ではこれを財源に、一般会計と事業会計の間で負債のつけ替えを繰り返していた。北海道の9自治体は、▽財政規模に比べて一時借入金の額が多い▽歳出に占める貸付金の割合が多い--など、赤字隠しを疑わせる状況にあるという。道では最終的な調査結果を月内にもまとめる予定。
同省の調査では、北海道以外の全国の自治体については不適正な会計処理はなかった。【葛西大博】
毎日新聞 2006年8月3日