亀裂の入った水道管から噴き上がる水=札幌市中央区北2西2で、7日午前4時40分ごろ、久野華代写す
7日午前1時40分ごろ、札幌市中央区北2西2の水道管移設工事現場で、重機でつり上げたコンクリート製のマンホール(直径1.65メートル、厚さ25センチ)が、誤って水道本管(直径1.2メートル)の空気弁に当たり、水が噴き出した。一時、高さ約10メートルまでに達し、巨大な水柱となり、現場付近の北2条通が冠水し、通行止めとなった。同市水道局が本管のバルブを閉める作業を始め、午前6時50分ごろに水が止まった。さらに空気弁を取り外し、午前8時半に復旧した。
工事は札幌駅前地下通路建設に伴う水道管の移設工事。札幌中央署は工事に当たった地崎工業など3社の共同企業体の工事責任者から事情を聴いている。
同市水道局によると、この事故で▽西区八軒の2万世帯▽中央区の一部約1000世帯▽北区全域の約12万2000世帯▽東区全域の約14万5000世帯の計約28万8000世帯で、水道水が濁る可能性があり、飲用などに使わないよう呼び掛けている。市民から約1000件の問い合わせがあったという。
現場を自転車で通りかかった小笠原悟さん(70)=同市西区=は「(約50メートル離れた)駅前通りを走っていたら水柱が見えたので来たが、こんなのは初めて」と驚いた様子。東京から道内旅行中の大学生、山本祐輔さん(23)は「オフィスビルが建ち並ぶ街のど真ん中でこんなことが起きるなんて信じられない」と興奮しながら持参のビデオカメラを回していた。【久野華代、松宮兌、金子淳】