和歌山県紀の川市立名手小学校(北田勝博校長)が、2年生1クラス(23人)の1学期の通知表について保護者から「別のクラスに比べ評価が厳しすぎる」と指摘され、成績をつけ直して再配布していたことが分かった。しかし、一部の保護者は「今さら変更するのはおかしい」と受け取りを拒否する事態になっている。
同校によると、通知表は、児童一人一人の到達度などを評価する「絶対評価」方式で、担任が計6教科30項目を「よくできた」「できた」「がんばろう」の3段階でつける。保護者の指摘で学校が調査したところ、2年生の2クラスのうち、一つのクラスは「よくできた」が1人平均3.6個だったが、別のクラスは8.1個だった。同校は「差が大きすぎる」と判断し、評価をやり直したところ、同7.9個になった。
北田校長は「児童の意欲を伸ばすため、できた部分を最大限評価するという評価基準を(担任教諭に)徹底せず、確認もしなかった」と説明。評価をやり直したことについて「将来にわたって子どものためになると考えた」と話している。
先月28日、保護会で経緯を説明し、今月3日から、担任が個別に訪問して通知表を再配布しているが、「子どもが不信感を抱く」などと、受け取らない保護者が約10人いるという。
通知表は、学習の到達具合や校内の様子を子どもや保護者に伝え、今後の学習意欲を増す目的で、学校の裁量で評価を決める。県教委は「通知表の趣旨をふまえ、保護者と学校間の信頼関係が損なわれないよう指導する」としている。【最上聡】
毎日新聞 2006年8月9日