財務省が10日発表した06年上半期(1~6月)の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引の状況を示す経常収支の黒字は前年同期比7・8%増の9兆4377億円となり、2期連続で黒字幅が拡大した。原油高で輸入額が膨らみ、貿易収支の黒字は統計が比較できる85年以降で最小だったが、所得収支の黒字が3期連続で最高を更新した。
経常収支のうち、日本企業や投資家による海外投資の収益を示す所得収支の黒字は同29.9%増の7兆317億円で、3期連続で貿易黒字を上回った。投資した海外の債券の利子が増えたり、海外子会社の業績好調で配当が拡大した。
貿易黒字は同23.3%減の4兆447億円で、4期連続で減少。輸出は同16.1%増の34兆1191億円と9期連続の増加、輸入は同24.7%増の30兆744億円と8期連続の増加で、輸出入とも過去最高を更新した。輸出は米国向けの自動車などが好調。輸入は原油の伸びが全体の増加分の3割を占めた。
6月の経常黒字は前年同月比7.2%減の1兆167億円で、2カ月ぶりに黒字幅が縮小した。【山本明彦】
毎日新聞 2006年8月10日