不祥事が相次いだ日本郵政公社は9日、再発防止のため、不正をチェックする監査部門の人員を数百人規模で大幅増員することなどを柱とした「内部統制強化に向けた行動計画」を固めた。月内にも正式決定し、公表する。
今年5月に発覚した長岡郵便局(新潟県長岡市)での大口顧客向け料金別納郵便をめぐる巨額の不正値引き問題などの不祥事を受けたもの。来年10月の郵政民営化をにらみ「法令順守体制を民間優良企業並みにする」(生田正治総裁)狙いもある。長岡局問題では、竹中平蔵総務相が10日午後、郵政公社に対し、03年の公社発足以来初の経営改善命令を発動する方針。
計画によると、現在、本支社合わせ約950人体制となっている内部監査部門を数百人規模で増員。法令違反の有無をチェックする法務部門も拡充し、郵便や郵便貯金、簡易保険の3事業ともに内部告発制度なども活用し、問題案件の早期発見、是正を徹底する。
特に不祥事が多発している郵便事業では、組織体制を「窓口業務」「集配」「輸送」の機能別に再編。窓口業務では、長岡局のような不正値引きの再発防止に向けて、料金収納の二重チェック体制の強化を図る方針だ。さらに、これら計画の進ちょく状況を生田総裁直属の「内部統制強化本部」(本部長・山下泉総裁代理)で毎月点検し、実効性を高める追加策を講じる。【竹川正記】
毎日新聞 2006年8月10日