三重県紀北町海山区のJR紀勢線向井東第2踏切で27日から28日朝にかけ、列車通過時に警報機や遮断機が作動しなかったことが分かった。JR東海が現場に社員を配置するまでの間、列車2本が通過し、うち特急1本は乗用車と衝突しそうになったという。同社が踏切の部品を交換し、28日午前8時前に踏切は正常に戻った。
一方、26日夜にも周辺の踏切数カ所で遮断機が上がらず、警報機が鳴り続けるトラブルがあったことが分かった。紀北町周辺は26日夜から27日にかけ雷雨を伴う大雨が降り、紀勢線は27日朝から午前11時半ごろまで運転を見合わせていた。同社はトラブルの関連を調べている。
同社によると、27日正午ごろ、住民から「踏切が作動していない」と通報があった。同社社員4人が現場に着くまでの約30分間に、特急と普通列車各1本が通過。目撃者によると、男性が乗用車で踏切を渡ろうとしたが、特急の接近に気付き、ぎりぎりで停止したという。社員らは現場に到着後、車が安全に通過できるよう誘導した。
通常、踏切で異状が起きた場合、運行を管理する同社の東海総合指令所(名古屋市)に表示が出て把握できるが、27日は表示されず、現場の踏切にも故障表示が出なかった。【山口知、七見憲一】
毎日新聞 2006年8月29日