女子学生の遺体が見つかった徳山高専の研究室(右)=山口県周南市で29日午後5時12分、矢頭智剛写す
山口県周南市の徳山工業高等専門学校の研究室で、同校土木建築工学科5年、中谷歩(なかたにあゆみ)さん(20)=同県防府市伊佐江=が首を絞められて殺害されているのが見つかった事件で、周南署の捜査本部は29日、周南市に住む同級生で中谷さんと同じ研究室に所属する男子学生(19)について殺人容疑で逮捕状を取った。男子学生は事件直前に現場の研究室で目撃された後、行方が分からなくなっている。
調べでは、男子学生は28日午前、同校専門科目棟3階の所属する研究室で、中谷さんの首をひものようなもので絞めて殺害した疑い。29日の司法解剖で、死因は首の圧迫による窒息死と判明。死亡推定時刻は28日午前10時半から正午ごろと分かった。
男子学生は午前11時よりも早い時間帯に研究室に1人でいるのを学校関係者に目撃されていたが、その後姿が見えなくなった。
これまでの調べで、中谷さんは28日午前10時ごろ、同級生の女子学生と登校。女子学生は所用があったため、研究室に行って勉強するという中谷さんとはいったん別れた。午前11時ごろ、女子学生が研究室に行ったが、鍵がかけられ、人の気配もなかった。女子学生は昼食後、携帯電話でも連絡がとれなかったため、校内放送を依頼するなどして中谷さんを捜し始めた。午後3時ごろ、女子職員が研究室ドアの鍵を開け、床に中谷さんが首にひもを数回巻かれてあおむけに倒れているのを見つけた。
事件当時、研究室を管理する教官は出張中だったが、所属する5年生の学生には出入りができるように研究室のドアの合鍵をそれぞれ渡していた。捜査本部は、ドアに鍵がかかっていた研究室の状況などから、中谷さんは女子学生と別れた後、研究室で先に来ていた男子学生と会い、殺害されたとみて、2人の間にトラブルなどがなかったか調べている。