埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の市営ふじみ野市大井プールで、同県所沢市立小手指小2年、戸丸瑛梨香(えりか)ちゃん(7)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、現場責任者(36)が県警捜査1課と東入間署の調べに「6月の契約後、吸水口のふたを固定していた(去年の)針金がさびていたので、取り換えた」などと供述していることが分かった。県警は、ボルトでふたを固定しないなどずさんな管理が常態化していた可能性があるとみて追及している。
県警やふじみ野市によると、現場責任者は、プールの管理運営を請け負ったビルメンテナンス会社「太陽管財」=さいたま市北区=から、市に無断で業務の丸投げを受けた「京明プランニング」=同市見沼区=の社員。ふじみ野市と「太陽」が委託契約を結んだ6月19日以降にプールを訪れて点検。「去年のもの(針金)から今年のものに、吸水口のふたの針金をすべて自分で交換した」と説明しているという。ただし、何カ所を固定したのか、針金を交換した詳しい日時などは不明。
また、県警の調べで、吸水口の60センチ四方のステンレス製ふた計6枚のうち、四隅ともボルトで固定したものは1枚しかないことが分かった。
流水プールは3カ所に吸水口があり、それぞれ左右に並んだ2枚のふたでふさがれていた。事故のあった吸水口は左側のふたが外れ、右側のふただけが四隅をボルトで固定されていた。残り5枚は針金だけ、または針金とボルトで固定され、何も留めていないボルトの穴だけの個所もあった。
また、現場責任者は監視員に流水の仕組みなどを教えていなかったことが判明。県警は監視員の教育実態も追及する。
【弘田恭子、小泉大士】
毎日新聞 2006年8月2日