2010年サッカー・ワールドカップ(W杯)の開催地、南アフリカのファンスカークバイク環境・観光相が2日、日本記者クラブで会見し、「アフリカ大陸初の大会開催をアフリカ全体のW杯と位置づけ、必ず成功させたい」と述べた。懸念される安全・治安面については「犯罪の背景にある失業率30%という状況を雇用拡大で克服し、警察官の増加、司法制度の改善などで対処していきたい」と話した。
南アはW杯開催に向け、観客輸送などのための空港拡張と道路・鉄道網整備に80億ランド(約1320億円)を投じ、ヨハネスブルク、プレトリアなど既存の5スタジアムの拡張・改修に加えてケープタウンやポートエリザベスなどに新設される5会場の工事を50億ランド(約825億円)をかけて進めている。
環境・観光相は、国連の「持続的開発に関するサミット」(02年)、「クリケットW杯」(03年)、「女子W杯ゴルフ」(05年、06年)の実績をあげながら、W杯に向けた施設整備などについて「現在の進捗状況は、同時期のドイツと比較しても早いペースで進んでいる。」と強調した。【高尾具成】
毎日新聞 2006年8月2日