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A級戦犯遺族:8人が分祀受け入れ 18人中反対3人

作者:竹中拓実…  来源:mainichi-msn   更新:2006-8-6 10:48:23  点击:  切换到繁體中文

靖国神社へのA級戦犯の合祀(ごうし)・分祀問題に関連して、毎日新聞社が合祀されたA級戦犯の14遺族に考えなどを聞いたところ、連絡できた13遺族18人(一部の遺族は複数)のうち、8遺族8人が分祀受け入れの意向を示した。反対は3遺族3人だった。「教義上、分祀はできない」とする同神社の姿勢と遺族らの意識に隔たりがある実態が浮き彫りになった。

 昭和天皇が合祀に強い不快感を示したとされる富田朝彦元宮内庁長官のメモが見つかったことを受けて、一斉聞き取りを行った。その結果、合祀・分祀については、5遺族の7人が「ノーコメント」「判断できない」などとしたが、10遺族11人が判断を示した。

 分祀受け入れを表明した遺族では、合祀は旧厚生省から送付された戦死者らのリストである祭神名票に基づいたもので「当初から同意したものでない」ことを理由に挙げる声が多かった。また「国民合意」や「靖国の自主的判断」を分祀受け入れの前提とする遺族もあった。ただ、自ら分祀を申し出る考えを示す遺族はなかった。

 広田弘毅元首相=絞首刑=の孫弘太郎さん(68)は「合祀について要望も同意もしていない。祖父がまつられていると考えていないので、分祀と言われても『ご自由にして下さい』としか言えない」と話した。東条英機元首相=絞首刑=の二男輝雄さん(91)は「遺族から何か言うべきことではない。神社が分祀を決めたら異論を出す立場にない」と靖国の判断に従う考えを示した。

 分祀反対の理由としては、平沼騏一郎元首相=終身禁固、受刑中死亡=の養子の平沼赳夫衆院議員(67)が「神道に分祀というのはなく不可能」▽板垣征四郎元陸軍大将=絞首刑=の二男正さん(82)が「合祀の手順は厳粛。分祀は認めたくない」▽東条元首相の孫由布子さん(67)が「分祀論の発端は中国の圧力。外圧に屈することになる」と述べた。【竹中拓実、反田昌平、工藤哲】

    ◇合祀されたA級戦犯◇

土肥原賢二・陸軍大将 絞首刑

広田 弘毅・首相   絞首刑

板垣征四郎・陸軍大将 絞首刑

木村兵太郎・陸軍大将 絞首刑

松井 石根・陸軍大将 絞首刑

武藤  章・陸軍中将 絞首刑

東条 英機・首相   絞首刑

平沼騏一郎・首相   終身禁固 受刑中死亡

小磯 国昭・首相   終身禁固 受刑中死亡

白鳥 敏夫・駐伊大使 終身禁固 受刑中死亡

梅津美治郎・参謀総長 終身禁固 受刑中死亡

東郷 茂徳・外相   禁固20年 受刑中死亡

松岡 洋右・外相    --  公判中死亡

永野 修身・海軍元帥  --  公判中死亡

 ▽A級戦犯と合祀 極東国際軍事裁判(東京裁判)で、侵略戦争を計画・遂行したなどとして起訴された政府と陸海軍の指導者28人が「A級戦犯」。48年の判決では、病死や免訴の3人を除く25人全員が有罪で、東条英機元首相ら7人が絞首刑に。靖国神社は78年10月、この7人と、受刑中や公判中に死亡した7人の計14人を合祀した。

 85年8月、当時の中曽根康弘首相が初の公式参拝に踏み切って以降、中国などがA級戦犯合祀を問題視し「侵略戦争を正当化する」として反発を強めた。解決策の一つとして14人を分祀する考え方があり、当時遺族の一人の板垣正氏が他の遺族の取りまとめに当たったが、一部から異論が出て頓挫した。同神社は「神霊を分けても元の神霊は存在しており、分祀はあり得ない」としている。

毎日新聞 2006年8月6日 


 

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