【ニューヨーク坂東賢治】フランス国連代表部は5日午前(日本時間同日夜)、イスラエル軍とイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの戦闘停止に向けた安保理決議案で、米仏両国が最終合意に達したと発表した。同日午後3時(日本時間6日午前4時)から安保理の非公式協議を開き、決議案を提示する。各国の同意を得た上で早期の採択を目指す方針だ。
フランスは、戦闘の即時停止を求めた上でレバノン南部への国際部隊の派遣などを盛り込んだ草案を作成したが、イスラエルを支持する米国は「戦闘の即時停止」という言葉に反対していた。国連外交筋によると「完全な暴力の停止」という表現に変え、ヒズボラに攻撃を受けた際のイスラエルの反撃権を認めることで米国が了承したという。
ボルトン米国連大使は5日朝、ドラサブリエール仏国連大使との協議後、仏との合意を認めたうえで、決議の早期採択に向け、安保理内の合意形成を急ぐ考えを強調した。7日か8日にも採択可能との見方もあるが、中露やアラブを代表するカタールなどが米仏の合意案に異論を唱えた場合、遅れる可能性もある。
米仏などは今回の決議で停戦を実現させ、その後、国際部隊の権限や任務を盛り込んだ第2の決議を約2週間後をめどに採択する方針。イスラエルやヒズボラに停戦を受け入れさせることが当面の課題となる。
毎日新聞 2006年8月6日