福島県発注工事を巡る談合疑惑で、東京地検特捜部は3日、同県内大手の土木建築会社「佐藤工業」(福島市)の会長(66)から任意で事情聴取した模様だ。県発注の地域高規格道路「あぶくま高原道路」(通称・トライアングルハイウェー、総事業費約1300億円)工事や、流域下水道整備工事の入札の経緯などについて説明を求めたとみられる。
同県発注工事の談合疑惑は、法人税法違反で元会長らが起訴された水谷建設(三重県桑名市)の捜査過程で浮上。水谷建設が落札業者から下請け工事を受注したあぶくま高原道路の工事や流域下水道整備工事で、業者の担当者らが特捜部に談合を認めたとされる。
佐藤工業は東急建設との共同企業体(JV)で04年に流域下水道整備工事を落札。東急建設の東北支店長は先月15日、特捜部の聴取を受けた後に東京都内で自殺している。特捜部は、佐藤工業や佐藤栄佐久知事と親交があった郡山市の会社社長(59)らが談合を仕切るなどした競売入札妨害の疑いがあるとみて調べを進めている。
毎日新聞 2006年9月4日