法務省は5日、出資法の上限金利を超えた違法な高金利融資への罰則を現行の5年以下の懲役から10年以下に強化する方針を明らかにした。グレーゾーン金利撤廃に伴い、ヤミ金融による違法融資が横行するとの指摘があることから、抑止効果を高める必要があると判断した。
同日の自民党貸金業小委員会に提示した。併せて金融庁所管の貸金業規制法の罰則も強化し、無登録営業、不正登録、名義貸しについても懲役刑を5年以下から10年以下に引き上げる見通しだ。貸金業の規制強化に向けた同法などの改正案として早ければ秋の臨時国会に提出する。
一方、与謝野馨金融・経済財政担当相は5日の閣議後会見で、貸金業への規制強化に向けた貸金業規制法の改正案については「政府提案になると思う」と述べた。
貸金業規制法はこれまで、商工ローン問題やヤミ金融問題などに対処する緊急措置として議員立法で改正を繰り返してきた。だが、貸金業者に対する規制強化策に伴う出資法の改正など、包括的な制度改革になることから、「国の制度にかかわるものは、政府提案で出すのが習わし」(与謝野金融相)と判断した。【坂井隆之】
毎日新聞 2006年9月5日