三重県は6日、四日市、鈴鹿両保健所で実施した肝炎検査で「陽性」だった3人に対し、誤って「陰性」と通知したと発表した。他人へ感染する恐れもあるが、匿名で検査したため、3人の住所、氏名は特定できていない。県は心当たりのある人は両保健所に連絡するよう呼びかけている。
県によると、誤って通知したのは、四日市保健所で7月4日と8月29日にそれぞれ採血した女性(27)と男性(59)、鈴鹿保健所で8月29日に採血した男性(24)の計3人。津保健福祉事務所で3人の血液を検査した結果、20代の男女2人はC型肝炎、50代の男性はB型肝炎の陽性だった。その結果を台帳に記入する際、本来職員2人で確認するところを1人で処理し、陰性と誤記した。今月5日、担当職員がミスに気付いたが、既に3人とも保健所を通じ、後日本人に口頭で通知済みだった。
B型、C型とも慢性化して肝硬変や肝臓がんに進行する可能性が高い。日常生活で感染する危険性は低いが、B型は性的接触で感染する可能性もあるという。検査は性別と年齢だけを確認する方法で毎週1回、無料で実施している。
中山治・同事務所長は「県民に不安に与え、申し訳ない」と陳謝した。【田中功一】
毎日新聞 2006年9月7日