名古屋市名東区で6日午前、母親(57)が中学3年の長男(15)に刺された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された長男は愛知県警名東署の調べに対し「母親が教育熱心だった」との趣旨の供述していることが6日、分かった。同署は長男が教育熱心だった母親との関係に悩み、犯行に及んだ可能性もあるとみて、さらに詳しく調べている。
調べでは、長男はこの日朝、台所から持ち出した包丁(刃渡り約15センチ)で、テレビを見ていた母親の背中をいきなり刺したという。母親は十数カ所を刺されて病院に運ばれたが、約2週間の軽傷。長男は母親を刺した動機について「教育熱心だった」との趣旨の供述をしているという。
同級生によると、長男は学校で友達がほとんどおらず、昼食も一人で食べることが多かったという。母親がPTAの役員をしているため、自宅でも一人でいることが多く、「(単身赴任している)父親も年に2~3回しか自宅に帰らない」と話していたという。また別の男子生徒は「学校でテストがあり、進路について悩んでいたようだった」と話した。【米川直己、鈴木顕】
毎日新聞 2006年9月7日