新聞協会賞を受賞した写真報道の一枚、「救い求め」=佐藤賢二写す
日本新聞協会は6日、06年度の新聞協会賞を発表した。優れた報道に贈られる編集部門で、毎日新聞東京本社社会部、佐藤賢二郎記者の「『パキスタン地震』一連の写真報道」など4件が選ばれた。毎日新聞社の編集部門での受賞は、03年度の「自衛官募集のための住民基本台帳情報収集に関するスクープ」以来3年ぶり21回目で、編集部門の最多記録を更新した。
佐藤記者は05年10月8日にパキスタンで起きた死者7万人に上る大地震を、東京本社写真部記者として20日間にわたり現地で取材。同協会は授賞理由を「被災者の悲しみを伝えるにとどまらず、災害の現実に立ち向かい、懸命に生きようとする人間の姿を見事にとらえ、見る者に感動を与えた」としている。佐藤記者は、94年毎日新聞社入社。写真部記者として取材に当たってきた。今年4月から取材経験を広げるため、東京本社社会部に在籍している。
また、日本新聞協会は6日、新たな新聞広告の可能性を示した企画を顕彰する第26回新聞広告賞を発表した。毎日新聞東京本社の05年8月18日実施の「毎日温暖化新聞」など10件が選ばれた。同協会は授賞理由を「ラッピング広告をはじめ他媒体との連動や関連イベントの開催など立体的な展開を図った」としている。
◇編集部門で4件
今年度の新聞協会賞では、毎日新聞東京本社社会部の佐藤賢二郎記者(前東京本社写真部)の「『パキスタン地震』一連の写真報道」のほかに、編集部門で3件、技術部門で1件が選ばれた。経営・業務部門は該当がなかった。受賞者は次の通り。
《編集部門》
日本経済新聞社(井上亮・社会部記者)「昭和天皇、A級戦犯靖国合祀(ごうし)に不快感」▽京都新聞社(「折れない葦(あし)」取材班、代表=向井康・報道局社会報道部長代理)連載企画「折れない葦」▽西日本新聞社(「検証水俣病五十年」取材班、代表=田代俊一郎・編集局次長兼文化部長)「検証 水俣病五十年」
《技術部門》
朝日新聞社(製作本部、代表=三上完治・システムセクションサブマネジャー)ATOMシステム
◇広告賞も決まる
第26回新聞広告賞は「毎日温暖化新聞」(毎日新聞東京本社広告局)のほか9件が選ばれた。授賞式は10月20日、都内で開かれる「新聞広告の日」記念式典で開かれる。受賞者は次の通り。
《広告主企画部門》キヤノンマーケティングジャパン=連続日本一▽資生堂=SHISEIDO2006▽宝島社=「団塊は、資源です。」▽トヨタ自動車=体感!トリノオリンピック日本代表応援広告▽日本コカ・コーラ=「人と人をうるおすコカ・コーラ」企業広告シリーズ
《新聞社企画部門》朝日新聞社=朝日新聞・タグボートプロジェクト▽産経新聞社=実験中。▽新潟日報社=ふるさと復興キャンペーン黄金(きん)の稲穂▽山陽新聞社=食育啓発企画「いただきます!」キャンペーン