愛知県半田市議会で7日、政務調査費の交付に関する条例を廃止する条例案が3議員から提出された。同案は総務委員会に付託され、審議を経て29日に採決される。政務調査費の廃止条例案が出されるのは、全国的に珍しいという。
同市の政務調査費の問題は、7月20、21日に札幌市で開かれた全国都市問題会議に参加した、議員12人と市幹部2人が、2日目の会議をすっぽかし、観光に出かけたことが発端。参加費が政務調査費から出ていたこともあり、報道された直後から連日市役所に、メールや電話で市民の抗議が殺到。すっぽかした議員、幹部が市民らに謝罪するとともに、今年度の政務調査費の返上と、07年4月からの廃止を表明していた。市幹部に対しては同席した助役、部長に加え、市長に減給などの処分が出されている。
同議会は定数25。すっぽかした議員は最大会派の市民クラブ(12人)の9議員と、公明の3議員。提案は市民クラブの議員が行った。
問題発覚直後は、市民クラブ、公明とも政務調査費廃止を表明し、廃止条例は可決される勢いだった。しかし、その後両会派の足並みが乱れ、可決されるかどうかは微妙な情勢。また、この日の議会では、市民クラブ、公明以外の3会派からは、「運用については、個人でしっかりやればいいことだった。いきなり廃止の理由は何か」「自分たちの問題を、すりかえているのでは」などと反対意見が出された。3会派は議案に反対するとみられる。【林幹洋】
毎日新聞 2006年9月8日