組合活動でポイントをためよう--。鉄鋼、造船などの労働組合で作る産別「基幹労連」(略称JBU、約750組合・約25万人加盟)が、福岡市で開会中の定期大会で組合活動活性化のユニークな提案を行った。活動に参加してポイントをためると“特典”があるなどの取り組み。「組合活動は損得でやるものか」と古参労組員からは批判もあるが、労働組合の組織率が20%を割る中、「やれることはなんでもやる」と若年者に人気のポイント制度で活性化を目指す。
提案は、組合運動の活性化への新たな挑戦として、(1)大JBU(だいじょうぶ)パワーバンク(2)JBU正夢プロジェクト(3)JBU運動参加ポイント制度の三つ。若手組合員の交流集会などで出された数百のアイデアから決めた。このうち(1)は災害ボランティアの人材を全県本部に組織し、カンパだけではなく、目に見える活動に取り組むもの。(2)、(3)は今後実現の可能性を探る提案となっている。
ポイント制度は、ポスターコンテストや集会などへの参加で、組合ごとにポイントが与えられる。ポイントがたまれば、産別の定期大会への無料招待や、海外視察の際の参加費が半額になるなどの特典が得られるなど、通常のポイント制度と同じ仕組みだ。
これまでの議論では、「ポイントにつられるような運動でいいのか」などの意見もあったが、内藤純朗事務記長は「活動に参加してポイントがたまり、たまったポイントでまた活動に参加すると良い循環が生まれる。組合活動に関心を持つきっかけになれば」と話している。【東海林智】
毎日新聞 2006年9月8日