学校法人「浅井学園」(札幌市中央区)の経費不正流用事件で、元理事長の浅井幹夫被告(57)の内縁の妻、渡辺朋子被告(36)をカラ雇用したとして業務上横領罪に問われた学園子会社元社長、大橋巌被告(58)の判決公判が11日、札幌地裁であった。半田靖史裁判長は懲役2年・執行猶予3年(求刑・懲役2年)を言い渡した。
半田裁判長は「保身のため、浅井被告の指示に従って犯行に及んだ」と指摘。一方、「浅井被告の権限の強さを考えると拒むことは容易ではなく、利益も得ていない」と執行猶予の理由を述べた。
判決によると、大橋被告は浅井、渡辺の両被告と共謀し、社長を務めていた学園子会社の人材派遣業「カレッジ・メンテナンス」社で渡辺被告を雇用したように装って、勤務実態がないのに給与など約800万円を振り込んだ。
同事件で起訴された5人中、これで大橋被告ら3人に執行猶予付きの有罪判決が言い渡された。残る公判は無罪を主張する浅井、渡辺の両被告だけになった。【真野森作】
毎日新聞 2006年9月11日