宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日午後1時35分、政府の情報収集衛星(IGS)を搭載したH2Aロケット10号機を、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた。約16分後、衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。H2Aの打ち上げは03年11月の6号機で初めて失敗したが、05年2月の7号機で再開以降は4機連続成功となった。
10号機は全長53メートル、重さ289トン。11日午前1時40分ごろ、組み立て棟から発射地点に移動を開始。その後、燃料充てんなどの打ち上げに向けた最終準備を行った。
搭載するIGSは、北朝鮮の軍事関連施設の監視が主任務の事実上の「偵察衛星」。計画では光学衛星とレーダー衛星の2基1組で運用し、政府は2組体制を目指している。03年3月に1組の打ち上げに成功したが、同11月に残る1組が失敗した。今回は光学衛星1基のみを打ち上げ、来年2月までにレーダー衛星1基を打ち上げる。【松谷譲二】
毎日新聞 2006年9月11日