すばる望遠鏡が観測に成功した宇宙で最も遠い銀河(右下黄枠の中央)。遠いため、本来の白色から波長が変化し、真っ赤な色に見えている=国立天文台提供
国立天文台の家正則教授らは、米ハワイ島のすばる望遠鏡で、観測史上最も遠い銀河を発見した。地球からの距離は約128億8000万光年(1光年は約9兆4600億キロ)。従来の観測に比べて約6000万光年遠く、ごく初期の宇宙の状態を知る上で、重要な手がかりになるという。14日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載される。
家教授らは、遠い天体ほど地球から速く遠ざかるため光の波長が伸びる現象(赤方偏移)を利用して、波長約0・97マイクロメートルの光だけを通す特殊なフィルターを2年がかりで開発。遠方から来る光をこし分けて観測し、発見に成功した。
宇宙の誕生は約136億6000万年前とされる。1光年離れた星の光は1年かかって地球に届くため、発見された銀河は、宇宙誕生の7億8000万年後の若い銀河という。【山田大輔】