日本経済新聞社の元部長級の幹部社員が厚生労働省所管の独立行政法人「高齢者障害者雇用支援機構」(東京都港区)の助成金約500万円を不正受給していた疑いが強まり、警視庁捜査2課は13日午前、元幹部社員ら数人に対し詐欺容疑で取り調べを始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。
調べなどによると、元幹部社員は、ファミリー企業を設立して架空の社員を雇ったように装い、04年9月、同機構の「高齢者等共同就業機会創出助成金」計約500万円を詐取した疑いが持たれている。厚労省によると、同助成金は45歳以上の人が企業を設立した場合に、45歳以上の社員を1人以上雇うと500万円を限度額として創業経費の3分の2を助成する制度。
元幹部社員を巡っては、子会社の「日経印刷」(千葉県習志野市)に出向していた03年8~12月、ファミリー企業の借金を日経印刷に肩代わりさせるなどして計約720万円の損害を与えた不正経理問題が04年に発覚。日経新聞社から懲戒解雇されている。
日経新聞社は、助成金の不正受給について「事実関係を把握しておらず、コメントできない」と話している。
民間信用調査会社によると、日経印刷は日経新聞社などの印刷業務を受託している。資本金1億円、04年12月期の売上高は41億5200万円。【三木陽介、石丸整】
毎日新聞 2006年9月13日