押収した資料をトラックに積み込む名古屋地検の係官ら=名古屋市中区の地崎工業名古屋支店で13日午後3時55分、加藤隆寛写す
名古屋市発注の公共工事を巡り談合が行われた疑いがあるとして、名古屋地検特捜部は13日、中堅ゼネコン「地崎工業」(札幌市)の名古屋支店などを談合容疑で家宅捜索した。特捜部は同支店営業担当者のほか、中堅ゼネコン「新井組」(兵庫県西宮市)の名古屋支店営業担当者らを任意で事情聴取しており、同市発注工事の談合疑惑の解明を進めている。
関係者によると、談合が疑われているのは、05年3月に19社が参加して行われた「服部南部準幹線下水道築造工事」(名古屋市中川区)の一般競争入札。予定価格は3億5580万円で、新井組名古屋支店が3億4500万円で落札した。
特捜部は、県内の談合の仕切り役だったとされる大林組名古屋支店元副支店長、小林恵二被告(58)=談合罪で公判中=からも改めて事情を聴いた。地崎工業はこの入札に参加しなかったが、新井組は市に報告せずに地崎工業と共同で工事を施工したとみられており、特捜部は小林被告の関与なども含め、詳しい経緯を調べている模様だ。
地崎工業名古屋支店の家宅捜索では同日午後4時ごろ、同地検の係官がダンボール箱約80個分の資料を運び出した。【加藤隆寛、岡崎大輔】