【ワシントン笠原敏彦】ライス米国務長官は13日、パレスチナ自治政府を率いるイスラム原理主義組織ハマスとアッバス議長の支持母体である旧主流派ファタハの統一政府樹立合意について、米国が新政府を「承認」する条件はあくまで中東和平4者協議(米欧露・国連)が提示した「イスラエルの承認」など3条件を受け入れることだと明言した。国務省でリブニ・イスラエル外相と会談後、語った。
4者協議はハマス政権受け入れの条件として、イスラエルの承認▽暴力の放棄▽イスラエル・パレスチナ間の合意の尊重--の3条件を示している。
ブッシュ政権は、テロ組織に指定するハマス主導の政権が今年3月に誕生して以来、同政府との接触と直接支援を停止した。欧州にはパレスチナ支援再開に前向きな反応も出ているが、米国は従来の条件を堅持する姿勢を確認したものだ。
ライス長官は「(統一政府樹立に向けた)プロセスの結果は明確でない」と前置きした上で、「4者協議の原則はイスラエルとパレスチナが進むべき道に関して国際社会のコンセンサスを示したものだ。(ハマスの)暴力放棄なしに平和へのプロセスは考えられない」などと語った。
リブニ外相も「(4者協議の)要求に交渉の余地はない。アッバス議長は、パレスチナ当局が(イスラエルとの共存を目指す)自らの原則とテロリストの原則のどちらで機能するのかを決断するときだ」と訴えた。
穏健派のアッバス議長はイスラエルとパレスチナの平和共存を志向している。
毎日新聞 2006年9月14日