損害保険大手のあいおい損害保険で、自動車保険などの不払い件数が約6万件に上っていることが同社の調査でわかった。同社は約2万9000件の不払いがあったとして、昨年11月に金融庁から業務改善命令を受けたが、同庁の指示で再調査したところ、さらに3万件超の新たな不払いが見つかった。不払い件数はこれまで最多だった三井住友海上火災保険の約4万5000件を上回る規模で、再度の行政処分は不可避の情勢だ。
新たに不払いが判明したのは、自動車保険のうち契約者が修理工場に自分で車を持ち込んだ場合の費用補償などに関する特約部分。昨秋の調査より対象を拡大して調べたところ、件数が大幅に増加した。同社は今月末、金融庁にこの結果を報告する。
金融庁は昨年9月に国内の全損保に不払い件数の調査を求めたところ、26社で計18万件、84億円の不払いが発覚。一斉に業務改善命令を出した。その後の検査で、三井住友海上や損害保険ジャパンで新たに大量の不払いが見つかったため、26社に再調査を指示。今月末までに報告するよう求めていた。【坂井隆之】
毎日新聞 2006年9月19日