クレジットカード大手のオーエムシー(OMC)カードは23日、キャッシング・カードローンの適用金利を、来春にも年20%以下に引き下げて、グレーゾーン金利を撤廃する方針を明らかにした。多重債務問題などでグレーゾーン金利への批判は高まっており、先行引き下げをして、優良顧客の囲い込みや企業イメージの向上を図る狙い。
OMCは、近く国会で審議予定の改正法案が成立し、付随する施行規則などが固まり次第、引き下げる。政府・与党は利息制限法の上限金利(15~20%)と出資法の上限(29.2%)の間のグレーゾーン金利撤廃まで数年の猶予期間を設ける方針だが、同社は猶予期間を使わないだけでなく、法案施行に先行して金利を下げる。同社は現在、貸出残高約4000億円のうち、3000億円強についてグレーゾーン金利を適用している。
クレジットカード業界ではすでに、キャッシングの利用率が低いトヨタファイナンスやJR東日本がグレーゾーン金利を撤廃。UFJニコスも改正法案の施行段階で撤廃する方針を示している。【宮島寛】
毎日新聞 2006年10月24日