ミャンマーで見つかった最古の蜜蜂の化石。琥珀の中で保存されている=サイエンス提供
花粉やみつを集めて運ぶ「ハナバチ」の祖先の1億年前の化石が、ミャンマーの地層から見つかった。これまでの化石より約4000万年古く、世界最古だという。27日付の米科学誌「サイエンス」に掲載される。
化石はオスのハナバチで、米オレゴン州立大のチームが琥珀(こはく)の中に閉じ込められた形で発掘した。分析したところ、白亜紀(約1億4500万年前~6500万年前)初期にあたる約1億年前のものと分かった。
体長2.95ミリと、現在のハナバチより極端に小さいが、羽や脚の特徴が共通していた。後ろ脚には細かく枝分かれした羽毛も生えており、当時から花粉を集めて運んでいたとみられるという。琥珀の中には花粉が一緒に閉じ込められていた。
白亜紀には、シダや裸子植物に代わって、花をつける被子植物が一気に多様化し繁栄した。チームは「当時は小さい花が多かったことから、初期のハナバチは体も小さかったのだろう。ハチが被子植物の多様化に貢献した可能性がある」と分析している。【元村有希子】