【ブリュッセル福原直樹】イラク南部サマワに駐留していたオランダ軍が03年、テロなどの容疑で拘置中のイラク人数十人を拷問していた、とオランダ有力紙フォルクスクラントが17日報じた。オランダ政府も認めている。イラクでオランダ兵の拷問が明るみに出たのは初めて。
報道などによると、オランダ軍の情報機関が03年11月、サマワの刑務所でイラク人容疑者の尋問に際して▽目に強い光を当てる▽爆音を聞かせる▽眠らせないために放水する--などを行った。オランダ国防省によると、当時の軍幹部の判断で公表されなかった。
拷問で得られた情報は、オランダ軍を指揮する立場にあった英軍に提供され、拷問に英軍が関与した可能性もあるという。オランダ軍はサマワで03~05年、展開。サマワには自衛隊も04年から今年7月まで駐留した。
毎日新聞 2006年11月18日