ダスキン(大阪府吹田市)が運営する「ミスタードーナツ」の肉まんに無認可添加物が混入していることを指摘した元取引業者が、一方的に取引契約を打ち切られたとして、同社に約4億2600万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が17日、大阪高裁であった。渡辺安一裁判長は「元取引業者が混入の公表を一種の切り札として、なし崩し的に契約に至ったもので、その解除には正当な理由がある」と述べ、同社に約1億7600万円の賠償を命じた1審・大阪地裁判決を取り消し、業者側の請求を棄却した。
判決によると、元取引業者は00年末、別の業者が製造した肉まんに無認可添加物が混入していることを同社に指摘した。元取引業者と同社は肉まんの製造契約を結んだが、その後、同社から「混入の口止め料的な契約だった」などと、契約の打ち切りを通告された。
渡辺裁判長は「過去の不正・不当な行為を明らかにし、その原因となった取引関係を解消することは企業経営上、当然のことだった」と指摘した。【前田幹夫】
▽元取引業者の話 判決は全く不当。上告し、真実を明らかにしたい。
▽ダスキンの話 主張が全面的に認められ、至当な判断と考える。
毎日新聞 2006年11月18日