メジャー、マイナーの3投手を相手に13球。フリー打撃で1キロ弱のマスコットバットを手にした岩村から、快音が出ない。9スイング中、前に飛んだのは一、二塁間へのゴロ1本だけ。5度の空振りと3度のファウルという内容に、サングラスの表情が曇った。
キャンプインして4日。日本ならまだ全力でスイングできる時期ではない。岩村も「始まって2、3日で打てれば、みんなホームラン打者」と話すが、それでも打てないいら立ちは募る。「今はバットに当たらないけど、前を向いてやるしかない」。前向きな言葉で悔しさを隠した。
5日後の3月2日にはオープン戦が始まる。しかし、メジャー契約で主力扱いの選手は、1カ月ほぼ毎日行われる試合でじっくりと仕上げればいい。岩村もそれは分かっている。「実戦で上げていかないと。アピールも必要だけど、むちゃしてもいけない」。はやる気持ちを抑えるように言った。(共同)
毎日新聞 2007年2月26日 18時45分