第30回日本アカデミー賞の授賞式が16日、東京・新高輪プリンホテルで行われ、「明日の記憶」の渡辺謙(47)が最優秀主演男優賞を獲得した。
ブロンズ像を手にした渡辺は「(89年に急性骨髄性白血病のため)“天と地と”を断念したときに病院のベッドで、また映画をやって日本アカデミー賞でスピーチをするんだとひそかにイメージトレーニングをしていました。少し時間がかかりましたが、やっと実現しました」と悲願達成に感激。顔をゆがめて涙をこらえる姿に、「北の零年」で共演し、司会を務めた吉永小百合(61)は「本当にうれしい」と涙。「明日の記憶」で夫婦を演じた樋口可南子(48)も目を真っ赤にした。
渡辺は初主演作でブルーリボン賞など賞レースを席巻し、今回で5冠目。「支えてくれた方々、子供たち、かみさん、ありがとうございました」としみじみと話した。
一方、「フラガール」が作品、監督など最多の4部門で最優秀賞を獲得。ほかに話題賞の作品部門にも選ばれた。同作で最優秀助演女優賞を受けた蒼井優(21)は「こんなことってあるんだとびっくりしています」とぼう然。最多の12部門で優秀賞を受けた「武士の一分」の最優秀賞は、助演男優、撮影、照明の3部門にとどまった。
スポーツニッポン 2007年2月17日