全国の警察が昨年検挙したサイバー犯罪は前年比40%増の4425件で、記録を取り始めた00年以降で最も多くなったことが警察庁のまとめで分かった。インターネットを利用した詐欺が前年比で13.4%増えたほか、子どもが被害を受ける児童買春・児童ポルノ事件も急増している。
内訳は、ネットオークションで商品をだまし取るなどの詐欺が1597件(前年比13.4%増)で最も多く、全体の36.1%を占めた。次いで、他人のIDやパスワードを使ってインターネットサイトに侵入するなど不正アクセス禁止法違反は703件(同153.8%増)▽インターネットで知り合った子どもを相手にする児童買春禁止法違反が463件(同44.7%増)▽ネットによる児童ポルノ禁止法違反が251件(同84.6%増)--など。
不正アクセスのための利用者のID・パスワードの入手手口が判明した698件のうち、メールで利用者を企業の偽のホームページなどに誘導し、ID・パスワードを入力させる「フィッシング」が220件(前年1件)。パソコン内部の情報やキーボードの入力情報を外部に流出させるスパイウエアを使ったものも197件(同33件)。容疑者の年齢別では20代が最も多いが、04年以降は10代が全体の3割を占め、低年齢化している。【遠山和彦】
2007年2月22日