パチンコ・パチスロ情報提供会社「梁山泊(りょうざんぱく)」(本社・大阪市西区)とグループ関係者らが、大証ヘラクレス市場上場の情報通信サービス会社「ビーマップ」(同・東京都文京区)の株価を操作した証券取引法違反事件で、大阪府警捜査4課は7日、梁山泊の実質的経営者、豊臣春国容疑者(56)=大阪市西区九条1=ら7人を同法違反(相場操縦など)容疑で逮捕した。豊臣容疑者らはインターネットの株取引を悪用。総額約30億~40億円もの資金を投入し、複数の拠点で組織的に株価のつり上げを計画したという。山口組系暴力団幹部らも口座の名義貸しなどで協力しており、同課は暴力団と組んだ株価操作の実態解明を進める。
調べでは、豊臣容疑者らは05年3月上旬から中旬までの間、インターネットの株取引で、借名口座を含む約20の株取引口座を使い、ビーマップ株の売りと買いを同時に注文する「なれ合い売買」を行って、取引が活発に行われているように装い、一般投資家を巻き込むなどして株価をつり上げた疑い。この不正取引で同3月1日に28万円(終値)のビーマップ株は、同17日には38万5000円(同)になった。
梁山泊グループの関連会社社員らが、会社事務所のパソコンを使って勤務時間中に株取引していた。借名口座は暴力団幹部らの名義を使用。多くの口座を使ってなれ合い取引を隠ぺいしようとしたとみられる。
関係者によると、梁山泊グループはビーマップ社の株買い占めを04年12月から始め、05年中も複数の期間で株価操作を行ったという。ビーマップ株は、04年下半期の月間の取引出来高は約1800~7400株程度だったのに、梁山泊グループ関連会社「ビタミン愛」が筆頭株主に躍り出た05年3月の出来高は3万1000株を超えた。
府警や証券取引等監視委員会は先月14日、大阪、東京、札幌の同社の関係先約50カ所を捜索。パソコン約70台など段ボール箱約400個分の資料を押収し、関係者から任意で事情を聴くなど捜査を進めていた。【稲垣淳】
毎日新聞 2007年3月7日 12時00分