世界選手権男子マラソンの代表選考会がすべて終了した。代表枠は5人だが、日本陸連が定めた内定条件を満たしたのは福岡国際4位の奥谷亘(SUBARU)だけ。残る4人は12日の日本陸連理事会・評議員会で決定する。
福岡で奥谷に3秒差の5位・諏訪は確実。福岡6位で前回世界選手権銅メダルの尾方剛(中国電力)、福岡8位ながら別府大分毎日で優勝した藤田敦史(富士通)も、その後に好走した選手が現れなかったため有力な立場に浮上した。
残る1人はアジア大会銅の大崎悟史(NTT西日本)、福岡10位で東京2位の佐藤智之(旭化成)の争いか。びわ湖毎日6位の久保田満(旭化成)は順位、記録ともやや厳しい。各大会で大きく異なる気象条件や、選考会を2回走った選手の扱いなど難しい要素も多く、念入りな検討が進められそうだ。
沢木啓祐強化委員長が選考会全体を振り返り「強化の立場からすると物足りない」と評した通り、現状の戦力は厳しい。しかし地元開催の世界選手権の開幕を飾る種目だけに失敗は許されない。河野匡・強化委員会男子マラソン部長は「選ばれた選手が本番で力を発揮するための態勢や環境をいかに整えるかが大事」と、選考後の取り組みの重要性を指摘している。【石井朗生】
毎日新聞 2007年3月4日 19時54分