東証・大証1部上場の通信販売大手の「ニッセン」(京都市南区)が、大阪国税局の税務調査を受け、05年12月期までの3年間で、約6億5000万円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。在庫商品の評価損を過大に計上したと指摘を受けた。追徴税額は地方税、過少申告加算税を含め約3億2000万円に上る。
関係者によると、同社は03~05年の間、通信販売用に売れ残った在庫商品について、時間の経過による破損や流行遅れなどで価値が簿価よりも下がったとして、評価損を計上した。しかし、国税局は、類似商品の評価や過去の評価事例などからみて「まだ十分に価値がある」と判断し、評価損を認めなかった。
同社のような通信販売業の場合、顧客からの多様な注文に即座に応じる必要があるため、在庫の有無がサービスの質の高さに直結する。一方で、大量に在庫があると一般に財務状況が悪化するため、在庫の価値をどう評価するかがポイントとされる。税務調査では、ほかにも経理ミスによる申告漏れの指摘があり、同社は06年12月期決算で、過年度法人税など3億2000万円を計上した。
同社をめぐっては、03年12月期までの2年間でも国税局から約2億7000万円の申告漏れを指摘されている。
同社は70年設立で、資本金76億6500万円。06年12月期の売上高は1513億円。同社経営企画室は「国税当局と見解の相違があったが、全額を納付した」としている。【鵜塚健】
毎日新聞 2007年3月19日 3時00分