【ブラデントン(米フロリダ州)村田隆和】米大リーグは21日、各地でオープン戦を行い、レッドソックスの松坂がパイレーツ戦に先発。5回3分の2を1安打7奪三振、1失点の内容で、大リーグのチームから初勝利を挙げた。初登板のボストン・カレッジ戦を含めると2勝目。一回にラローシュに適時打され1点を許したが、二回以降は四球の1人以外は走者を出さなかった。六回2死の時点で予定投球数に近い92球になり交代した。次回は26日のレッズ戦に登板予定。岡島は九回に投げ3人で片づけた。
ホワイトソックスの井口はジャイアンツ戦で満塁本塁打を含む2安打。ロッキーズの松井稼はマリナーズ戦で3安打。マリナーズのイチローも二塁打1本を放った。カージナルスの田口はオリオールズ戦で2安打。デビルレイズの岩村は無安打だった。
◇投球術に緻密さ増す…松坂
松坂は緻密(ちみつ)さを増している。キャンプ、オープン戦を通じ、変化球の重要性を説いてきたが、右打者へのチェンジアップに、その成果を感じさせた。
四回。5番ベイに緩いチェンジアップでカウントを稼ぐと、最後は148キロの内角高めの速球で空振り三振。続く五回は、6番バウティスタを、速球やスライダーで追い込んだ後、外角低めのチェンジアップで見逃し三振に仕留めた。
「チェンジアップに対する右打者の反応を見ていると、すごく効いているのがわかる」と、ファレル投手コーチも太鼓判を押す。六回2死まで92球。被安打は一回の1本だけ。変化球の精度の向上がもたらした結果だろう。
「コントロールが難しかった」と振り返った速球も、オープン戦最速の154キロをマークした。「球速は気にしていないが、それだけ出るというのは肩ができている証拠」と、調整に抜かりはないようだ。
強いて課題を挙げれば、試合の入り方か。味方が2点を先制した直後の一回裏、先頭打者への死球を契機に1点を返された。試合をしっかり作るのは先発の役目。「点をもらった直後に、取られるのは一番やってはいけないこと」と反省する。
ただ、この日を見る限り、松坂は、同じ轍(てつ)は二度と踏みそうにないほど自信に満ちていた。【村田隆和】
毎日新聞 2007年3月22日 17時07分 (最終更新時間 3月23日 0時40分)