○ソフトバンク8-3広島●
ソフトバンクの勝負強い打撃が光った。1点を追う六回、城所、川崎の連続適時打などで3点を奪って逆転。城所は九回にも2ランを打ち、突き放した。王監督は「打線がうまくつながった」と笑顔。広島先発の黒田は捕逸をきっかけに2点を失ったが、内容自体はまずまず。「シーズンに入ればもっと際どいコース、もっと迫力のある球を投げる」と余裕の表情だった。
○…ソフトバンクの先発・和田は5回3失点。立ち上がりからボールが高めに浮き、二回には4安打を浴びて逆転を許し、球数もこの回までに65球に上った。この日は試合前に小雪も舞う寒さだったが、「公式戦ではどんな状況でも投げなければいけない。理由にならない」と和田。ただ、三回以降は変化球を低めに集めて被安打1としっかり修正。4年連続2けた勝利投手の面目は保ったが「収穫は、悪かったこと。いい勉強になった。でもオープン戦で良かった」と苦笑いだった。
○…この試合5安打に終わった広島だが、今季から1番を打つ梵が気を吐いた。二回、森笠の中前適時打で1点を返し、なお2死満塁の場面。ファウルで5球粘り、フルカウントに持ち込んだ11球目、内角直球を左前へはじき返して走者2人を迎え入れた。「気持ちで負けないように向かっていった。無意識に粘っていた」と梵。一回の打席は遊ゴロに倒れたが、やはりフルカウントにして8球投げさせた。小早川打撃コーチは「(球数が)積み重なればチームにとって大きなものになる」と、リードオフマンの姿勢を評価した。
毎日新聞 2007年3月11日 20時10分