【サラソタ(米フロリダ州)村田隆和】米大リーグ、レッドソックスの松坂は26日、当地でのレッズ戦に先発登板した。毎回の5四球と制球が乱れたが、5回を投げて無安打無失点、6三振を奪った。勝敗には関係なかった。ヤンキースの井川はフィリーズ戦に先発し5回3安打1失点で2勝目を挙げた。松井秀は6番・左翼でフル出場したが無安打だった。
メジャー昇格を目指すパイレーツの桑田は、ブルージェイズ戦の七回に2番手として登板し、1回3分の2を投げ1安打無失点。八回1死一塁で中前打を許し、三塁にベースカバーに入ろうとした際に球審と交錯して転倒、右足首をねんざして降板した。
2番・二塁でジャイアンツ戦に先発したホワイトソックスの井口は本塁打を含む3安打2打点の活躍。デビルレイズの岩村は6番・三塁でインディアンス戦に出場し、3打数1安打だった。カージナルスの田口はマーリンズ戦の途中から左翼の守備についたが、無安打だった。
◇無安打無失点…内容は納得いかず
投げ終えた松坂は記者会見場に姿を見せることはなかった。オープン戦最多の104球を投げ、無安打無失点。結果だけを見れば十分だが、内容に納得がいかなかったのだろう。
「あまりにも内容が悪すぎた。四球と無駄球が多く、野手も守りづらかったし、攻撃のリズムを作れなかった」。短いコメントが広報から読み上げられるだけだった。
メジャー入り後、初めてブルペンに入らず臨んだ試合。最速は95マイル(約152キロ)をマークしたが、制球が悪く、カーブも高く浮く。一回は先頭打者に四球。続くダンにも0-3とボールが先行した。1死一塁で迎えたフィリップスの4球目には「外す」サインを見誤り、スライダー。捕手バリテックが後逸し、走者の二進を許した。
だが、「決していい試合ではなかったが、ピンチからはうまく脱していた」とバリテックは評価する。サインミスも、その後話し合ったといい、「解決済み」と問題にしなかった。
松坂人気は米国でも天井知らず。敵地にもかかわらず、球場新記録となる7663人の観衆が集まった。その前で快投とはいかなかったが、ファレル投手コーチは言う。「彼も人間。でも、5回無安打で苦しむのは、能力が高い証拠だ」【村田隆和】
毎日新聞 2007年3月27日 10時22分