テニスの全米オープン第9日は6日、ニューヨークのナショナル・テニスセンターで行われ、女子シングルス準々決勝で第1シードのマリア・シャラポワ(18)が第9シードの難敵ナディア・ペトロワ(23)をフルセットの末下し、初の4強進出を決めた。準決勝では、ウィンブルドン優勝のビーナス・ウィリアムズ(25)を下したキム・クライシュテルス(22)と対戦する。男子シングルスでは連覇を狙う第1シードのロジャー・フェデラー(23)らが準々決勝進出。混合ダブルス準々決勝に挑んだ第5シードの杉山愛(30)ケビン・ウリエット(33)組はストレート負けし、日本勢は姿を消した。
シャラポワの絶叫が会場に響き渡り続けた。今大会の過去4試合は平均59分で勝利を収めてきたが、この日は2時間半。「この試合を押し切ったことが信じられない。最高よ」。時に鬼のような形相でボールを追った18歳は、大きく息を吐き、笑みを浮かべた。
過去2度対戦し2勝だったペトロワとの試合は、まさに死闘だった。強烈なストロークを相手コートにねじ込むシャラポワに、ペトロワも互角の打ち合いを演じた。第2セットは今大会初めて失った。「彼女が信じられないプレーをした。第2セットは突然モチベーションを失ったようになってしまった」と振り返った。
しかし、最終セット。シャラポワはショットを決めるたびに声を出し、拳を握って全身に気迫をみなぎらせた。5-3からブレークを許したが、相手のサービスゲームをブレークバックし、決着をつけた。「最後はもう一度ゲームに集中することができた」。シャラポワの父ユーリさんは、砲丸投げの元有名選手というエリートアスリートの父を持つペトロワに、異常な対抗心を燃やしていると言われる。それこそが、最後にシャラポワ自身の闘争心を呼び起こす結果となった。
熱狂するスタンドに指笛と拍手を送られ「(勝利は)スタジアムのおかげ」と笑顔を振りまいたシャラポワ。初の全米制覇に、あと2勝。過去3戦3敗のクライシュテルスとの準決勝を乗り越えれば、4大大会2勝目が視界に入ってくる。