原子力規制委員会は27日の定例会合で、九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)の運転管理ルールを定めた「保安規定」を認可した。これで再稼働に必要な許認可手続きを完了した。最終確認となる現地での設備検査を経て、まず1号機が7月下旬にも再稼働する。
東京電力福島第1原発事故の反省を踏まえて2013年7月に導入された新規制基準の施行後、許認可手続きを終えるのは川内原発が初めてとなる。
再稼働には、規制委による安全審査に加えて、設備の詳細を記した「工事計画」と保安規定の認可が必要となる。川内原発は14年9月に安全審査に合格し、工事計画の認可も得ている。保安規定は通常の運転体制のほか、作業員への教育訓練や事故対応の手順などを定めた内容だ。
同原発では、1号機で再稼働前の最後の確認作業として規制委が現地で設備を点検する「使用前検査」が進んでいる。地元の鹿児島県と薩摩川内市などは再稼働に同意している。検査は当初の計画よりも遅れているが、大きな異常が見つからなければ、九電は7月下旬にも1号機の運転を再開する。
2号機も6月に使用前検査が始まり、9月下旬をめどに再稼働する見通し。約2年ぶりに国内の原発が本格的に動き出し、綱渡りが続いてきた西日本の電力需給の改善にもつながりそうだ。