【アンカラ=矢沢俊樹】ルー米財務長官は4日、中国の楼継偉財政相と会談した。ルー氏は8月中旬に中国人民銀行(中央銀行)が人民元相場の決定基準を見直し、元を切り下げたことを踏まえ、競争的な通貨切り下げを回避し「市場での元高圧力もそのままにすべきだ」と述べた。元相場が上昇局面に転じた場合も中国当局が安易に為替介入せず、元高を容認するよう促した。
米財務省が同日公表した米中財務相会談の声明によると、両氏は中国経済の見通しと株式など金融市場の現状について意見交換した。ルー氏は中国の元切り下げや株価下支え策など一連の政策を「注意深く監視」する考えを伝えた。中国当局に対してルー氏は「政策の意図とその行動内容を金融市場に向けて細心の説明を行う必要がある」と強調した。
ルー氏は、さらに中国の為替政策の透明性を高め、元相場決定に際して市場により大きな役割を与えるため「秩序だったやり方」で改革を進めるよう求めた。