安倍晋三首相は20日朝、沖縄県で米軍属の男が女性の死体遺棄容疑で逮捕された事件について「非常に強い憤りを覚える。さぞ無念だったと思う。今後、徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」と首相官邸で記者団に述べた。
事件を受けて政府は20日朝、首相官邸で沖縄関係の閣僚会議を開いた。会議では岸田文雄外相と中谷元・防衛相が、米政府に抗議と再発防止を申し入れたことを説明。島尻安伊子(あいこ)沖縄北方担当相は「繰り返される事件・事故に憤りを感じる」と述べ、米政府に対し、軍人や軍属の綱紀粛正を求めることを改めて確認した。
菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、「米軍属の残忍で凶悪な事件の発生は許しがたく言語道断だ」と述べた。菅氏は、沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事と面会し、事件について意見を交わす考えも表明した。「政府としてもありとあらゆる機会を通じて、米側に対応を求めたい」と語った。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画への影響については「まだ分析していない。米側に捜査への協力を強く求めたい」と述べるにとどめた。