かきまつりで宮城のかきを試食する岸田文雄外相(左から2人目)=23日午前、宮城県松島町、小林豪撮影
「ポスト安倍」に向け、外務省と二人三脚で地方へ――。岸田文雄外相が23日、将来の総裁選立候補を視野に地方行脚を始めた。外務省の「ネタ出し」を受け、地方に外交の重要性をアピールするとともに、自身の存在感を浸透させる狙いだ。
岸田氏はこの日、「地方を世界へ」と題した外務省のプロジェクトで宮城県を訪問。東北大(仙台市)で講演し、「外交アクションプラン」を発表した。在外公館などを使って地方の名産品をアピールするほか、地方を訪れる訪日観光客を増やすため、ビザの緩和を進めていく――といった内容だ。
同県松島町では、ドイツやイスラエルなどの駐日大使たちを引き連れ、「かきまつり」に参加。餅まきやかきの試食を体験した後、記者団に「地方の方々と対話をして地方の魅力を世界に発信し、それが地域のさらなる活性化につながっていく」と力を込めた。
岸田氏は安倍晋三首相の後継を狙う「ポスト安倍」の一人とされるが、安倍政権で外相在任期間が長くなっていることもあり、国内での知名度不足が指摘されてきた。領袖(りょうしゅう)の知名度を上げたい岸田派と、地方から見えにくい外交の重要性をアピールしたい外務省の思惑が一致した格好。この日は岸田派の武井俊輔外務政務官も同行した。(小林豪)